miiboDesigner の岡大徳です。
今回は、愛知県春日井市で実施された「miiboを活用した生成AI自動応答サービスの実証実験」について詳しくご紹介します。この事例は、自治体における会話型AIの可能性を示す重要な取り組みです。従来のチャットボット形式の自動応答システムの課題を解決し、市民サービスの向上と業務効率化を両立させた実証実験の詳細と成果をお伝えします。
実証実験の背景と課題
春日井市では従来、「教えて!道風くん」という自動応答サービスを運用していましたが、いくつかの課題に直面していました。
従来システムの問題点
FAQデータの作成や管理更新に大きな労力が必要
情報更新の遅延が発生しやすい
対応分野の拡大が進まない
一問一答形式の硬い対話で市民満足度が低下
これらの課題を解決するため、春日井市はmiibo Partnersのアースアイズ株式会社とmiibo(ミーボ)を活用した生成AI自動応答システムの実証実験を実施。市民サービスの向上と市職員の業務負担軽減の両立を目指しました。
実証実験の概要と実施内容
実証実験は2024年9月2日から9月30日までの約1ヶ月間実施されました。
実証実験の基本情報
期間: 2024年9月2日〜9月30日
対象者: 市内外の生成AIに関心がある人(インターネット上に公開)
対応分野: 主に子育て・教育関係
実証ツール名: 猫型AI「ハルくん」(miibo実装)
miiboの実装方法と特徴
実証実験では、従来のFAQデータの作成・管理が不要となる方式を採用。以下の内容をmiiboに学習させました:
市ホームページの「子育て・教育」セクションの情報
関連する施設情報などの一部ページ
既存の子育てや戸籍に関するFAQデータ
これにより、市職員がFAQデータを個別管理する従来の負担を大幅に軽減しつつ、市民への正確な情報提供を目指しました。
実証実験の結果と評価
約1ヶ月の実証実験を通じて収集されたデータと市民アンケート結果から、miiboの有効性が明らかになりました。
参考:総会話数約2,700件・会話数ベースの回答率は約3%、アンケート回答数91件。
アンケート結果のハイライト
利用者層: 20〜40代の子育て世帯が中心
よく質問された内容: 「保育、保育園」、「学童保育」、「遊べる施設」に関する質問が多数
回答取得率: 約70.3%のユーザーが「回答を得られた」と回答
総合評価: 50.5%が「良かった」と評価、「悪かった」は7.7%にとどまる
AIの応答精度と業務効率化効果
すべての質疑応答内容を詳細に検証した結果:
正確な応答: 89.4%の質問に対して市が想定した通りの適切な回答を提供
著しい誤回答やハルシネーション: 0件(発生せず)
回答できなかった、または部分的に問題がある応答: 5.9%
不適切な質問(AI非対応): 4.6%
特筆すべきは、自然な言葉づかいでの対話が実現し、利用者からも「自然で違和感のない言葉で回答された」という好評価を得たことです。
実証実験から得られた知見と今後の展望
春日井市の実証実験は、会話型AIの自治体活用における有用性と課題の両面を明らかにしました。
miiboの有用性
自然な対話の実現: 市民が日常的な言葉で質問し、AIが自然な言葉で回答
情報の正確性: 市ホームページの情報を参照し、誤情報なく正確な回答を提供
職員の負担軽減: FAQ作成・管理が不要となり、業務効率化を実現
今後の検討事項
参照情報の整理: 回答作成のために参照するホームページ情報の整理・改善
AIの利用注意点: 市民に対する生成AI利用時の注意点の伝達方法
公設システムの必要性: 民間の検索サービスでの生成AI普及を踏まえた公設システムの必要性の再考
自治体は今後、導入ありきではなく、より幅広い用途での活用可能性を検討していく方針です。音声入力による自動応答など、新たな可能性も視野に入れています。
Q&A
Q: miiboを自治体で導入する際の初期コストや運用コストはどの程度ですか?
A: 初期コストと運用コストは導入規模や対応分野によって異なります。miiboでは様々な規模の自治体に対応できるよう複数の料金プランを提供しています。初期導入コストを抑えたい場合は、特定の部門や限定的な分野から始めることも可能です。詳細については個別にお問い合わせください。
Q: 自治体特有の複雑な行政用語にも対応できますか?
A: はい、miiboは自治体の公式ホームページやFAQ、内部資料などを学習データとして取り込むことができるため、行政特有の専門用語や制度についても的確に回答できます。春日井市の事例では、「保育料」「児童手当」などの行政サービスに関する質問に対しても適切に回答しています。
Q: 市民の個人情報保護やプライバシーへの配慮はどうなっていますか?
A: miiboによる会話型AIシステムでは、利用者の質問内容は一時的に処理されるのみで、個人を特定する情報は保存されません。また、情報セキュリティに関する各種認証を取得しており、自治体の厳格なセキュリティ要件にも対応しています。春日井市の実証実験でも、プライバシーへの配慮が徹底されました。
miiboの詳細なFAQについては、以下のURLをご覧ください: https://daitoku0110.net/faq/
まとめ
春日井市の実証実験は、miiboを活用した会話型AIが自治体の課題解決に大きく貢献できることを実証しました。
89.4%の高い精度で市民からの質問に回答
自然な言葉づかいでの対話を実現
市職員のFAQ作成・管理負担を軽減
市民サービスの向上と業務効率化の両立
この事例は、単なる技術導入ではなく、「市民に対するサービス品質の向上」と「職員の業務効率化」という2つの課題を同時に解決する取り組みとして高く評価されています。
会話型AIの導入を検討している自治体や公共機関の方々にとって、春日井市の事例は貴重な参考になるでしょう。まずは特定の分野から始め、段階的に拡大していくアプローチが効果的であることも示唆されています。
【今すぐ行動】
自治体や公共サービスでのmiibo活用にご関心をお持ちの方は、無料トライアルを利用してmiiboの可能性をご体験ください。また、春日井市の実証実験についてさらに詳しく知りたい方は、公式報告書へのリンクから詳細をご確認いただけます。
それでは、また次回のニュースレターでお会いしましょう! miiboを楽しんでください!
miiboDesigner岡大徳:https://daitoku0110.net/
miiboガイドページ:https://daitoku0110.net/miibo-guide/
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